
練馬剣友会の会員で、声楽家としても活躍されている秋山佳子さんより、
剣道を通じて、声楽家として日々感じられているお気持ちをお書きいただきました。
『剣道に出会い「やー!」、「めーん」の意味の深さに驚きを感じている。
体の中心線を見つめ、静かな深い呼吸、息の流れをいかに感じ取ることが出来るか?
初心者の私には目を見張るものがある。
自らへの問いかけである。
息の流れを、厳かに感じ取り、瞬時に体重を移動させ、同時に「めーん!」と打ち込む。
声を長く、時には短く、息の流れと共に残心を取り、次に備える。
自らの呼吸を見つめ、いかに持続することが出来るか?難しい課題である。
また、この課題は声楽をする私にとって重要な私への問いかけである。
音大卒業後、オペラアリアコンサートやオペレッタ等でオーケストラとの共演をしてきた。
10代の頃からトレーニングが始まり、体の使い方、在り方など長年の経験により独自の発声メソットを開発してきた。
途中家庭事情により、演奏活動を中断する運びとなったが、60才より再開、65才を目前の今、剣道との出会いにより、全く新しい道程へと歩み始めた。
自らへの課題に、剣道によって直面させていただいている。喜びを感じる。
演奏会がちかくなると、声が出にくくなってしまう。歌いにくくなり、あせってしまう。
背に力が入り、喉が硬くなり、身体にやさしく通っていてくれたはずの息が、思うように廻ってくれなくなる。
声楽家は身体が楽器!
悪夢のような状態になる。静かな呼吸!
それがどこかに行ってしまう!
中心線を見失ってしまう!
”自らの息を感じ、呼吸を見つめる”
身体の循環によい血液の流れが活性化する深い呼吸を・・・・。
剣道での日々真剣に、忍耐強く、一人一人の子ども達への目線をあわせ、中心線を取る練習の指導に立ち向かう先生方の姿、精神性の高さのすばらしさに心うたれます。
自分の生き方を方向付ける大きな鍵に出会った。
毎日の生活のなかに全てがあり、全てが生まれる。
練習を重ねよう・・・。より深い静かな呼吸を!
輝いた自分らしい人生を!
深みのある輝ける歌声を!
自らへの問いかけから、自らへの答へと求め続けよう・・・・・。
精魂をこめたご指導に感謝いたします。
秋山 佳子』